
おととし2010年に、出版100周年を迎えました柳田國男著の【遠野物語】。本自身を直接拝読したことはありませんが、その内容をドキュメンタリー的に紹介されたテレビ番組を拝見しました折りにとても興味を持ち、その舞台である<遠野>の地を私もいつか直接訪れたく思っておりました。
<岩手>は住まいのある<宮城>のお隣り県なので、時折り伺うことがありますが、東北の中でも不思議な雰囲気を感じさせる特別な地域のような気がします。県境を越え岩手に向かって車を走らせていると、そのままどこか別の世界に入り込んでいってしまうような…。牧場が多くサイロ風景が増えてくるせいなのか?それとも、頭の中にインプットされている宮澤賢治童話からのイメージなのか…。【遠野物語】のような様々な伝説が、今も色濃く地域に息づいているということも関係しているのかもしれません。
東北の農村風景に、西洋文化圏のような異国的な雰囲気が被さり、西洋でも東洋でもない空間から、そのまま異次元の物語世界にいつの間にか迷い込んでいってしまうような…そんな日常では感じられない不思議な感覚になれることが心地よく、ロマンチズムを求めて<岩手>の地を訪ねる方々もけっこう多いのではないでしょうか。
私も今回、日々の現実からしばし離れ、豊かな自然が息づく<岩手>の地でのびのび大きく深呼吸*これからの元気をたくさん頂けたとてもありがたいひと時でした。しかしながら今回初めて訪れた<遠野>の地。さすが【遠野物語】の舞台…。見えない何かの気配を、私自身の肌でも少々感じ取れたような…。いや…感じ取りすぎてちょっと怖かった?…(*_*;
タイトルをクリックすると、続きのフォトが出てきます。ごいっしょ<遠野>*楽しんで頂けますとうれしいです。

①先ずは高台にあります南部曲り家<千葉家>へ。築200年を数える古民家で母屋と馬小屋がL字で繋がっているこの辺り伝統の曲り家様式の建物です。

③<千葉家>曲がり家の入口。風格のある大きな茅葺づくりの屋根。

⑤母屋入口に青ベースの丸い白犬マーク。【犬おります】の印?そういえば知人が、ここ生まれのワンちゃんを昔飼われていたそうで、とても可愛かったというお話をされていたっけ。その末裔ワンちゃんは、もしや今も健在?

⑦中庭からの風景。庭の手前に夏らしく橙色のほおずきの実が。奥の庭木が丸くきれいに刈り込んでありました。

⑨黄色い土壁の蔵窓。蔵好きにとってはたまらないポイント。9月に入ったのになぜか紫陽花が生き生きと。

⑪かすむ遠野の里山上に風力発電の白い風車群。現代アートの大きなオブジェのような…風の又三郎が住んでいる異次元世界の入り口のような…。

⑬<こっとんかったん♪>小気味よい木車の音と、サワサワ水の流れる音。それが絶妙に混ざり合い…*気温30℃越えておりましたが、心地よい風流な<涼>をしばし楽しみました。

⑮「あ、道端に赤とんぼ。動かないで~。はいチーズ*あれ?これって死語?(笑)」子供の頃は、仙台でも当たり前にたくさんの赤とんぼが群をなして飛んでおりましたが、最近あまり見かけないような…。久しぶりの赤とんぼ。とても綺麗なアカネ色でした。

②駐車場からの坂を登りきると建物のある高台へ。望む向い側の風景がいかにも<遠野>的。中央に夏らしくとうもろこし畑が青々と…。
④母屋の方は現在もお住まいになられているとのことで、見学は併設の馬屋のみ。

⑥敷地内に居たのは庭石の上のこのアイアン製兎くんのみ。末裔ワンちゃんも、昔馬屋で飼われていたという馬の気配もなく…残念。

⑧馬屋内部に以前公開された映画【遠野物語】のポスターや関係資料が展示されておりました。この【千葉家】がロケ先だったとのこと。飼われている馬にその家の娘が恋をし、周囲の反対に会いながらも最後は夫婦となり天高く共に登っていく【遠野物語<第69話>】>オシラサマ伝説がベースである内容…テレビ放映で一度見たことがありました。かぎりなく深淵…作り込みにリアリティがあったせいなのか、見ていてとてつもない怖さを感じた映画だったような…。

⑩【千葉家】門を出ると、樹齢が想像つかないほどの二連の大木。かつらと山桜とのこと。はるか昔に芽生えた個々の小さな苗。温かな土のない冷たい石の上を這いながらも光を求め、上へ上へ…。そしてある日、二本は出会い、ともに寄り添い、雨風を凌ぎ温め合いながら、光を求めてさらに上へ…。そして今、見上げるくらいの立派な大きな一本の大木に…。何気ない自然の中にも奥深い物語あり…。

⑫今も使われているという茅葺屋根の水車小屋が見たくて、遠野の外れにあります山口地域の水車小屋まで足をのばしてきました。

⑭水車小屋の内部。水の力を使って木の棒を上げたり下げたりさせ、様々な穀物を粉状に加工する水車方式。自然の力を上手に利用する、昔人のアイデアあふれる素晴らしいカラクリ装置です。

⑯【水車小屋】を後に…さあ、いよいよ今回の【遠野めぐり】メインの【かっぱ淵】へ。きょうりで河童釣りの案内人さん*今日はいらっしゃるかな?…
<花巻と遠野>第三弾 act.23につづく…*アップ、もう少々待ちくださいね。
まだコメントはありません。