act.52  冬の【定義山】参りに行って来ました。

  *凍てつく定義山<旧本堂>の山門
  *凍てつく定義山<旧本堂>の山門

 「仙台近郊の霊験あらたかな<縁結び>のご利益はここ!」と古くから言われております【定義如来西方寺】通称【定義山(じょうげさん)】。

 適齢期のお子さんをお持ちの親御さんが、旧お堂裏にあります<縁結び>で名高い<連理の大ケヤキ>に足を運び何度か丁寧にお参りを繰り返すと、その後、お子さん方が良い方と巡り合い幸せになることが出来たというお話を昔からよく耳にします。

 仙台街中から西北にある仙台水瓶のひとつ<大倉ダム>の、またさらに奥まった場所に鎮座しておりますご本尊<定義如来像>を有するこの【定義山】の始まりはなんと今から800年前の平安時代。壇ノ浦の戦いで源氏に敗れた<平重盛公>に仕えておりました重鎮 <平貞能公>が、中国欣山寺から寄進されておりました平家の宝物<阿弥陀如来の宝軸>と、わずか8歳で壇ノ浦の戦いの時に亡くなられた<安徳天皇>のご遺品を預かり、重臣たちとともに東北のこの地までなんとか逃げ延びてこられ、身を隠すために【定義】と名を改めこの地に住まわれたのが起源とのことでした。その【貞能公<定義>】亡き後、重臣たちはそのお墓に上に小さなお堂を建てて代々その場を守り、その重臣らの祖先である<早坂源兵衛>氏が1706年に出家、お堂を建て替え<現 貞能堂(旧本堂)>を建立したのが西方寺の始まりとのことでした。

 

 春夏秋冬、季節によっても違った心地よい佇まいを見せてくれる仙台には数少ない自然もいっしょに満喫できる人気の古刹【定義山】。仙台人でしたら誰もが知っている定義名物*揚げたて油揚げの<三角油揚げ>や、味わい深い<味噌焼きおにぎり>を筆頭に数々の美味しい名物が勢ぞろい。その匂いに誘われ遠方からやってくる人は数知れず。

 仙台西部地域の私の住まいからは車で40分位。ドライブ圏内なので、私もお参りに伺いながら、よく定番の定義名物を楽しみにお伺いします。今回は新年のご挨拶をかねながら、2月中旬、まだまだ雪景色の色濃い冬の【定義山】に行って来ました。 <2015.2>

 

*下記の<続きを読む>をクリックすると続きのお話&フォト便りが出て来ます。

   どうぞご覧くださいね。


①氷結の大倉ダム。先日降った大雪後は良いお天気がしばらく続き、本日もわりと気温暖か。ダム横の道路はアイスバーンではなく乾いていたので順調に向かうことが出来ました。


②その道路横になんと自転車ツーリング族発見!さすが若人。冬の寒さなんかなんのその!あれれ? 後でフォトをよくみると、もしや二人乗り?それとも二人重なってみえているだけ?真相わからず…。


③【定義山】入口の赤い橋に無事到着。やはりここまで来ると道路脇の雪の高さがちがいます。


④【定義山】山門に到着。堂々たる山門は昭和6年建立。<気仙大工の建築・石井寅正氏の彫刻>仁王像も対であり、彫刻技術も素晴らしく昭和生まれとはびっくり!


⑤雪に埋もれすぎた石灯篭。雪の重みにつっかえ棒の松の木くん。毎冬越えは必死かと…^_^;


⑥防寒のため藁の服を着た<手洗い場>の守り神【水神の龍くん】。なんだか<ゴジラ>に見えてくるのは私だけ?(笑)


⑦お参り用のお線香とろうそくを購入。巨大お線香立ての煙を仰いで<今年も体調よくすごせますように>と健康祈願。日本の仏閣ならではの光景。外国人は???かも(笑)今年はラッキーカラーの緑包み紙のお線香を選んでみました。


⑧火を灯したろうそくをこちらの台座に立てるのですが、風のある日は消えやすく、また混んでいる日に当たってしまった時は、立てるところが満杯で一苦労。台座中央にある蝶の家紋はこの【定義西方寺】の紋。湯西川温泉の平家の落人伝説の宿も同じ。ということは平家ゆかりの御紋なのかも。


⑨木彫りの装飾が素晴らしい旧本堂の【貞能堂】。古くから伝承されている【貞能公墓所】を風雨から守るため、昭和2年に建立されました【さや堂】系の建物とのこと。本堂が平成11年に新しく建てられ、【ご本尊】と【定義如来宝軸】がそちらに移ってしまいましたが、仏壇下が【貞能公】のお墓であることは変わらず、また裏には【安徳天皇】の遺品を埋葬している塚と、縁結びで名高い【連理のケヤキ】があるせいか、まだまだ霊験あらたかな気が宿っているような気がします。


⑩【貞能堂】の建物の中に入り、畳敷きに座って今年一年よい年でありますように…と丁寧にお参り。ふと横をみると以前にはなかったデジタル液晶ご案内板。おお、ハイテク!!


⑪すぐ横には以前から設置されているアナログのご案内コーナー。その両極端の対比が横並びでとてもおもしろく…。年齢的にこちらが落ち着く私は昭和生まれ人(笑)


⑫【定義如来】と書かれた赤い提灯。その前の木の彫刻壁もお見事。「いや~ほんとうに良いお仕事されていますね~」<鑑定団の中島さんのマネ^_^;>


⑬伺った時は必ず立ち寄る【貞能堂】から【天皇塚】に上がっていく階段脇にある日本庭園。今日は大雪後のため残念ながら立ち入り禁止。ささやかながらも素敵なお庭。池に木々の緑が映える春爛漫時期を楽しみに…。


⑭【安徳天皇】の遺品を埋めて冥福をお祈りし二本のケヤキを植えられました【天皇塚】がここ。二本にケヤキの木がいつの間にか一本のケヤキとなり【連理のケヤキ】と呼ばれるご神木となり<縁結び>の聖地となりました。雪に埋もれておりましたが横の階段から上に上がり、こちらも<作品たちの嬉しいご縁結び>を願いお参りしてきました。

 

⑮【貞能堂】裏の池近くにある【長命水】。健康で長生きできるとのご利益もある美味しい湧水。今回もうれしく頂いて来ました。


⑯その近くの池は氷結。薄氷の下には、じっと動かずひたすら春を待つ魚たち。暖かい春の日差しがここまでやってくるまでもう少しの辛抱。ガンバ!


⑰【貞能堂<旧本堂>】エリアから東へ少し歩くと、新しく平成11年に建立されました【本堂】が見えて来ます。【貞能堂】と同じ六角堂。ご本尊様と秘仏である【阿弥陀如来の宝軸】が祀られております。新築の時はすべてが新しすぎて威厳をあまり感じなかったのですが、15年くらい経ちました今では木材等の素材質感にも風月を経た味わいが加わり風格ある素敵な建物になりました。ちょうどご祈祷中でしたので、こちらは外からお参りしました。


⑱【定義山】に伺った際は必ず立ち寄る美味しい手打ち蕎麦屋さんの【十里】。いつも休日のお昼は満員ですが、今日はお昼時を少し過ぎていたのでうまく席を取ることが出来ました。


⑲なかなか東北ではおめにかかることが出来ない大好きな京都風にしん蕎麦。細見の手打ち蕎麦はしゃきっとしていてツルツル喉ごし良好。三つ葉の香りが品よく味わいのある美味しい汁に絡み、私好みの一品でした。


⑳【十里】のお店は民芸調。美味しいお蕎麦と、笑顔の素敵な明るく優しいおかみさんのおもてなしで身も心も温かくなりました。


21.窓の外は五重塔エリアの入口。【定義如来展示室<玉手箱>】、抹茶も楽しめる【茶室】や心地よい庭園もあり、見どころのエリアなのですが、先日の大雪の影響がまだ残っておりとても寒そうなので今回は伺わず…また花咲く良い季節の時にでも…。


22.平和記念の供養塔として昭和61年に建てられました定義さんのランドマーク【五重塔】。疑似冬の京都に行きました気分。


23.元の参道に戻ってお店エリアへと戻る途中、子供たちの雪遊びエリアがありました。大きなソリすべりジャンプ台もあり、親子連れがカラフルなソリを引きづり冬のレジャーを楽しんでおりました。子供たちの元気な歓声*ほほえましい光景におもわずパチリ!


24.そのすぐそばにまるで横手にあるような大きな<かまくら>が。中を見渡すと水神まである本格派。コンロでなにか作った形跡があるということは、先週あたりがもしや雪まつりの会場だったのかな?


25. 定義うまいもんランキングではきっと栄えあるナンバーワン!!昔から参道沿いにお店を構えている【定義庄子豆腐店】の揚げたてアツアツ【定義三角油揚げ】。揚がったばかりの三角油揚げにお店常設の七味こしょうをたっぷりと。お醤油もちょこっと垂らして大きな口でかぶりつけば、口の中に広がる香ばしい香り。表面パリパリ!上質なお肉たちにもけして負けないお豆腐のジューシーな味わいに「ああ、今日定義山に来てほんとうによかった」と幸せな気持ちにしばし酔いしれる食いしん坊の私なのでした。


26.来月はお雛様月。早々に店内にも<下がり雛>が飾られておりました。初めて<下がり雛>を見たのははるか昔、友人との九州旅行。柳川の川下りからみえる道沿いに華やかに飾られておりました。見たことがないお雛飾りに友人とびっくり!最近になって、ご年配の方々のリハビリにもなるとのことで日本全国で<下がり雛>の制作が盛んとなり、この時期はどこもかしこも<下がり雛>が飾られていてあまり珍しいものではなくなりました。でもお雛様時期に合わせて展示されると思うと作り手の方々もきっとそれを目指すことで日々の楽しみ、元気の素となっているのでは…。これは定義の方々の手づくり雛かな?とても可愛い<下がり雛>でした。


27.松の雪つりが取れ、沿道に春の山菜売りのお店が多々出てくる緑あふれる暖かな季節になりました頃、またこの【定義山】に足を運びたく思っております。



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