act.73 【古代アンデス文明展】に行って来ました。

*【古代アンデス文明展】展示会場は仙台市博物館。
*【古代アンデス文明展】展示会場は仙台市博物館。

 人々に幸せを分け与えるという黄金のコンドルを探しに、アンデス山脈の中にある理想郷<エルドラド>を目指し旅立つ少年ペペロ。70年代に放送されたTVアニメ【アンデス少年ペペロの冒険】は、地球の裏側<その上とんでもない大昔>南米アンデスの地がその舞台でした。物語に花を添えるのは、劇中流れるアンデスの民族音楽。楽器ケーナの温かく素朴な響きがとても魅力的。純和風の昭和文化に囲まれている日々の生活とはまったく異なる異次元のシチュエーションに驚きながらも、子供の私は毎回そのアニメドラマを夢中になってみておりました。

「南米文化、なぜかとても気になるわ*」それからというもの【コンドルが飛んでいく】<サイモンとガーファンクル(アメリカですが…笑)>を皮切りに、南米音楽に心ときめき、ナスカの地上絵、天空の要塞マチュピチュの映像に心躍り、デフォルメ技術が素晴らしい造形出土品展示に興味深々。素朴ながらも華やかな色彩コーディネーションにもぞっこん*いつしか大の南米文化ファンとなっておりました。

 

 同じ博物館の巡回展で何度か南米の各文明ごとの展示を拝見することがありましたが、今回はアンデス文明全5000年の歴史をたどる大きな総合展は初めて。仙台市博物館で7月から開催!「これはぜひとも*」とチラシをうれしく頂きながらも多忙でなかなか伺えず…。やっとのこと最終に近い週末、足を運ぶことが出来ました。

 

 派生した文明年代の順を追っての展示、映像も交えながらアンデスの歴史の移り変わりもとてもわかりやすく演出されておりました。展示品も多々でプレミティブ<原始美術>世界を堪能*内容濃く大満足の見ごたえある素晴らしい博物館展示イベントでした。

終了間近でとても混んでおりましたが、なんとかぎりぎり伺うことが出来て良かった…(^-^;```仙台展は9/30で終了してしまいましたが、2019秋まで日本各地の博物館を巡回されるそうです。<10月は名古屋にて開催とのこと。>今回、ありがたいことに展示品のフォト撮影が大丈夫とのこと。<Instagram掲載フォトも多種多彩>資料に撮らせてもらいましたお気に入り展示品フォトのおすそ分け* <続きを読むをクリック>どうぞご覧くださいね。

 

                                           Miho Kawamura  <2018.10.2>

 


①仙台市博物館の展示はこの階段を上った2階。総吹き抜けの心地よいエントランス。アンデス文明展の巨大インフォメーションタペストリーに心躍ります。


②さあ、展示会場へ。終了間近。やはり列をなし混んでいます。ではではお待ちかね、展示作品を拝見*


③サルと人間をミックスしたモチーフの石板レリーフ。手にしている何かを食べようとしているところ?腰には巻貝のトランペット。古代人の高レベルなデフォルメ技術に脱帽。

【サル人間の図像が彫られた石板】<チャンピン文化(BC.1300~500頃)>


④自然の神様が乗り移ったシャーマンがモチーフ?猫系顔を持つヘビ2匹はそのお供でしょうか。色彩地味ながらもインパクト強し。    

●【儀式用ケープをまとった人間型超自然的存在の像が付いた土器の壺】 <後期モチェ文化(750~800頃)>


⑤顔料や幻覚剤薬草(祈祷用?)をすりつぶした土の鉢。くちばしのある猫顔モチーフが陽気なイメージ。

●【動物象形石製すり鉢】<チャンピン文化(BC.900~500頃)>


⑥家にも一枚ほしくなるキュートな2匹の魚のデザイン皿。モデルはマグロくん?カツオくん?(笑)

●【2匹の魚が描かれた土製の皿】<ナスカ文化(BC.200~後650)>


⑦身のまわりのものを写実的に表現することに長けていたモチェの人々。土を捏ねながらウミガメをイメージ*楽しみながら制作している姿が目に浮かびます。器を創って食料に変える物々交換の時代。きっと人気の作家さんだったかも。

●【ウミガメをかたどった鐙型注口土器】<前期モチェ文化(BC.200~頃)>


⑧空飛ぶ人間型神話的存在イメージとのこと。両手口先?鳥だらけの刺繍デザイン。「やはり宇宙人が飛来していた?」懐かしの木曜スペシャル仮説を信じたくなってしまいます(笑)色彩計画&デフォルメとてもとても好みです。素晴らしいバランス感。

●【刺繍マント<拡大>】<パラカス ネフロポリス期(BC.700~200頃)>


⑨ティワナク文化展示エリアの会場風景。ここもたくさんの方々が貴重な展示作品に見入っていました。


⑩コカの葉入れに使用したつづれ織の布。チュニック服のリメイクでは…とのこと。リズミカルな四角デザインと階段柄が楽しげ。バランスよい色彩で今でも人気商品になりそう。

●【ストラップの付いたつづれ織のバッグ】<ティナワク文化(500~1100頃)>


⑪今期イベント、来場者に大人気のリャマ像香炉。お供物用に制作されたとのこと。大きな丸いお目目と半開きのお口の可愛さに心奪われます。博物館すぐ近く、八木山動物園で生まれたラマのオセロくんがそっくりとのこと。ぜひとも寒くなる前に見にいかなくては*

●【リャマをかたどった土製香炉】<ワリ文化(650~1000頃)>


⑫神話をイメージしたお酒の容器。元気いっぱい陽気な4コマ漫画を見ているような ♪ 弾ける形の動きが楽し気。パワーをもらえる作品でした。

●【パリティ島で出土した儀礼用献酒容器】<ティナワク文化(500~1100頃)>


⑬金の精錬技術の発達でシカン文化時代の頃から金を用いての作品が増えて来ました。古代期とは思えない繊細な技術。タイムマシンに乗って制作風景を見てみたいものです。これは乾杯器を持つシカン王のイメージデザイン。

●【細かい細工がほどこされた金の装飾品】<後期シカン文化(1000~1375頃)>


⑭タテ糸に綿、ヨコ糸にラクダ系の動物毛を使い、繊細に織り込んだ布地。なんと1㎝に100糸織り込んだもののあるらしい。先人の続ける粘り強さと情熱…見習いたいけど、凡人私はついつい横道逸れてゆく…(苦笑)。

●【つづれ織のチュニック】<ワリ文化(650~1000頃)>


⑮ティティカカ湖を渡り文化交流を成し遂げた2人の文化英雄人がモチーフの鉢。弾む円と角四角ときどき縞々ストライプ。模様化された人物デザイン*見事です。

●【文化英雄モチーフが描かれた多彩色鉢】ワリ文化(650~1000頃)>


⑯これはとってもキュート*可愛いといったらもしや恐れ多い?両手にウミギクカイ持たれたシカンの神様をイメージされた土の壺。見ていると幸せやって来そう。

●【装飾付きの壺】<中期シカン文化(1000頃?)>


⑰非常に腕の良い織り手が注文者に見せるため制作したパターン見本のパッチワーク布。可愛い鳥の図柄など、楽し気なデザイン模様がぎっしり。引く手あまたの大人気作家さんだったことが偲ばれます。●【図案サンプル】<チャンカイ文化(1100~1470頃)>


⑱階段上ユニット柄は、この時期の男性用チュニック服の流行り模様だったとのこと。よくよく見るとこれはもしや絞り染め?パッチワークの布選びと色コーディネート、とても私好みの作品です。

●【チュニックの一部?】ワリ文化(650~1000頃)>


⑲儀礼用の器。ベースの木彫りに貝殻や鉱物が細やかに象嵌されています。手を合わせ祈る姿にチムーの人々の純真な心を感じます。

●【人間をかたどった祭祀用の杯(容器)】<チムー文化1100~1470頃>


⑳200点以上の展示品をすべて鑑賞。出口には華やか*アンデス色のたくさんの展示に因んだお土産品がずらり。


㉑【古代アンデス文明展を楽しもう】オフィシャルガイドブックを購入。帰ってからアンデスの歴史をおさらいしました。仙台に居ながら、地球の裏側アンデスの世界に直接触れることが出来る幸せ*誘致されました関係者の皆様方に心より感謝です。大満足の【古代アンデス文明展】*またの博物館催し物を楽しみに。

                Miho Kawamura  <2018.10>